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企業の利益に直結する、いわば「稼ぎ頭」ともいえる営業部門。
貴社では営業部門のデータ管理を満足のいく精度で実践できていますか?

従来、営業活動はブラックボックス化し詳細が把握されていませんでしたが、これを把握・分析することにより改善につなげようと、営業の業務にまつわるデータを集約して分析・活用する「データドリブンセールス」に乗り出す企業が増えています。

本コラムでは、営業データの分析から得られる効果や分析のポイントをご紹介いたします。

1.営業データ分析はなぜ必要か

営業データを分析すると何となくメリットがありそうですが、ここで改めて営業データ分析がなぜ必要なのかを考えてみましょう。

1. 営業組織全体の動きを把握するため

営業活動に関するデータを集約・分析することで、営業部門全体の動きを把握できるようになります。部全体の売上目標に対する進捗はもちろん、KPIごとの進捗やパイプライン、案件や商談まで、部門全体を具体的な数値で把握できるようになります。

2. 個人成績の不調原因を分析して改善につなげるため

契約成績の振るわない不調な営業マンの担当案件や商談に関するデータを分析すれば、原因を突き止めることも可能です。上長が改善に向けて一早くアドバイスを行うなど積極的に介入していくことで、不調からの脱却がスピーディに行えます。

3. トップ営業マンの成績が良い理由を分析し、ノウハウとして抽出するため

同様にトップ営業マンの案件や商談をデータで確認・分析することで、ベストプラクティスを導き出すこともできます。このノウハウは以下の三つの用途に活用できます。

組織に落とし込むことで部門全体の成績向上につながる

データから明らかになったトップ営業マンの行動をすぐさま横展開することで、営業部門全体の営業成績をスピーディに底上げすることができます。

トップ営業マンの離職による営業成績の落ち込みを防げる

トップ営業マンの営業活動がブラックボックスであれば、トップ営業マンの離職によるダメージは大きなものがあります。データとして蓄積・把握してあれば、トップ営業マンのノウハウを組織で引き継ぐことができます

効果的な教育・研修の材料として活用できる

ノウハウを新入社員への研修に使う教材に落とし込めば、効果的かつ効率的です。

2.営業データ分析の方法

集めた営業データを営業活動の改善に活かすための分析方法として、ここでは三つの方法をご紹介します。

1. 動向分析

動向分析とは、大量のデータの中から特徴を見つけ問題や課題を発見する手法です。あらかじめ立てた仮説を裏付けるデータを見つける作業も動向分析とよばれます。
データを時系列に並べたり条件で絞り込んだりしてデータを多角的に見て特徴を見つけます。

2. 要因分析

要因分析とは、動向分析で発見した課題の要因を発見するための分析です。データをグラフ化してからドリルダウンを用いて比較し、要因を探ります。

逆トーナメント分析

要因分析の手法の一つに「逆トーナメント分析」があります。
逆トーナメント分析とは、一つの結果に対しトーナメント方式の表を上から順に見ていくイメージで原因を分析していく方法です。スポーツなどのトーナメント表が下から上に勝ち上がっていくのに対し、この分析では上から下へ降りていくため「逆」トーナメント分析とよばれます。
たとえば「営業部門の年次の成績が良く、売上目標を達成した」という結果があった場合、まず部門全体の月次の売上の推移を折れ線グラフで表示します。
そして、「支店>部>課>営業担当者」というようにトーナメントを降りながら、それぞれの月次売上推移のグラフが部門全体のグラフともっとも近いものを探していき、もっとも貢献した営業担当者を 特定します。
今度はその営業担当者が担当している顧客を軸として「エリア>業種>顧客名」のようにトーナメントを降りながら折れ線グラフを確認していき、最終的に「営業部門の月次目標にもっとも貢献したのは〇〇社だ」と原因を特定できます。

OLAP分析の一つに「ドリル」がありますが、ドリルダウンを簡略化したものが逆トーナメント分析です。ドリルダウンとは、階層構造のデータを上から下に掘り下げていくようにデータを確認していく手法ですが、階層が下になるほどデータ数は増えていくので手間のかかる分析手法です。

【関連記事】
OLAP分析とは?

3. 検証分析

検証分析とは、要因分析で導き出したものが本当の要因かどうかを検証するために行う分析で、手法としてはドリルアップ分析を使います。ドリルアップは、ドリルダウンとは逆に階層を下から上にのぼっていくようにデータを追います。

3.BIツールを活用した営業データ分析

実際に営業データ分析を行うには、デジタルツールを使用することになります。
ツールの種類はいくつかありますが、ここではビッグデータ活用にも対応できるBIツールを活用した営業データ分析についてご紹介します。

1. 可視化

ダッシュボード機能を使い、ただの数字で理解しにくいデータを可視化します。
グラフや集計表、ヒートマップなどのかたちで一画面にまとめて表示できることで、レポート出力しなくてもいつでもリアルタイムにデータを把握することができます。

2. OLAP分析

データ分析機能を使いOLAP分析(Online Analytical Processing/オンライン分析処理)を行うことで、複数の異なるデータを横断し多次元的な分析が行えます。
BIツールを活用すれば、ある問題点について分析しその結果に至った要因がどこにあるかを調査するなど、複雑な分析を素早く行うことができます。

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3. データマイニング

マイニング(mining)とは「発掘」のことで、人が目検などでデータを分析するだけではなかなか気づきにくい発見を、複数の異なるデータのなかから統計学やパターン認識、人工知能(AI)などを駆使して相関性や法則性を探し出してくれるのがBIツールのデータマイニング機能です。課題解決や新規ビジネスの創出において期待が寄せられています。

4. レポート出力

上記のような分析結果を経営層や関連部署などへ報告する際には、レポーティング機能を活用します。日次や週次、月次で提出する定型レポートなら、あらかじめ設定を行っておけば自動でレポート出力が行え、指定のファイル形式でのエクスポートも可能です。単発で必要になる非定型レポートもデータをドロップするだけで簡単にグラフ作成が行えます。
BIツールの分析機能について詳しくは、こちらの記事もご覧ください。

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BIツールとは ~導入までに知っておきたい知識まとめ~

4.まとめ

以上、営業データの分析の意義や具体的な方法についてご紹介しました。これから営業データ分析に着手しようという企業様にとって、データ分析のために担当者を立てたり分析ツールを導入したりと、ハードルは低くないでしょう。

しかし、データを正確に分析することで営業利益を最大化するために必要な改善ポイントを明確に浮かび上がらせることができ、業績アップが狙えます。この機会にぜひ、営業データの分析・活用をスタートしてみてはいかがでしょうか。

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