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大手企業におけるBIツールの導入率は80%を超えているといわれます。それだけデータの分析や活用が重要視されているということの表れでしょう。

最近はBI(ビジネスインテリジェンス)だけでなく、BA(ビジネスアナリティクス) という概念(あるいはツール)が注目されています。

本コラムではBAの意味や役割について、BIとの関連性を紐解きながらご紹介いたします。

1.BIが持つ役割

BIとは、生産管理システムや購買管理システム、在庫管理システムといった企業内に分散されているデータを集約・分析して示唆を得て 、経営上の意思決定に活用する概念を指します。

そのためのシステムをBIツールといいますが、最近では単に「BI」でツールまで含むことが増えてきています。

BIの視点は主に「過去から現在」までにあるといえます。

2.BAが持つ役割

BAとは、Business Analyticsの頭文字を取ったもので「ビジネスを分析すること」を指します。

BAツールとは、BIでの分析結果を元にさらに分析を加えて将来を予測し、取るべきアクションを支援してくれるソフトウェアです。
BAの視点は主に「未来」にあるといえます。

BA活用の理想の形(最終形)は、データ分析から将来予測、意思決定までのプロセスを自動化することです。これを実現するには、統計解析や予測分析、データマイニング、数理計画法、シミュレーション、機械学習などのスキルが必要になります。

3.BAとBIとの違いは?

BIがデータの可視化や分析に主眼を置いたツールであるのに対し、BAはこれを元に未来を予測しデータに基づく意思決定を支援する役割を持っています。

つまりBA活用のためには、自社の保有するデータを収集・集積する環境が揃っていることが前提条件となり、BAとBIではデータ活用において関わるフェーズが異なるのです。

逆に共通するのは、自社の顕著化した(もしくは潜在的な)課題を解決して業務や経営を改善するために活用されるという点です。

4.BA成功のカギ

BAを成功させるにはどうしたら良いのでしょうか?
“アナリティクス界のドラッカー”ともよばれ、BA の分野で有名なトーマス・H・ダベンポート氏によれば、BA成功のカギは次の5つの要素だといいます。

D:Data(データ…分析するための質の高いデータ)
E:Enterprise(エンタープライズ…個別業務の視点ではなく、企業全体の視点)
L:Leader(リーダー…分析結果から業務改善を行う際の優れたリーダー)
T:Target(ターゲット…改善の対象業務を上手に絞り込み選択する)
A:Analyst(アナリスト…分析が行える人材)

これらの頭文字を取って「DELTA(デルタ)」とよばれています。

つまりBA活用の際は、分析に使用するための質の高いデータを収集し企業全体を改善するための視点を持ち、優秀なリーダーと分析者(アナリスト)を確保し、改善を行うべき業務を絞り込むことが重要だということになります。

5.BAの注意点

BAの導入を検討する際に知っておきたい注意点がいくつかあるので、ご紹介します。

まず、「BAが持つ役割」でお伝えたように、BA活用の理想形を実現するには幅広い専門知識が求められます。そしてその割に利用範囲が狭いという点です。BAはBIのようにデータ収集、分析、レポーティングといった広範囲で活用するようなツールではなく、「将来の予測」にフォーカスしたツールだからです。

また、BIのダッシュボード機能のように組織内に広く共有するための機能がついていないこともあり、共有しづらいツールもあるため注意が必要です。

6.まとめ

BA、BIの違いや特徴についてご理解いただけたでしょうか?
それぞれに強みがあるので、どちらを導入した方が良いとは一概に言えません。ただ多くの企業では、まだBAで未来予測を行うための過去の情報分析ができていない状態にあるといえるでしょう。
まずはBIツールでデータを溜め、その後BA活用にステップアップするというのがデータ活用成功への近道なのではないでしょうか。

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